子どもたち一人ひとりに対応

ケンブリッジのカリキュラムフレームワークは、プリスクールの分野における現在の研究、理論、そして広く受け入れられている実践を正確に反映しています。このフレームワークは、幅広いカリキュラムや特定のカリキュラムのアプローチと一致することを意図しています。早期教育カリキュラムを計画する上で、基本的に考慮すべきことは、子どもたち一人ひとりの能力、経験、興味、ニーズに応えることです。そのため、当校は、子どもたち一人ひとりに対応したカリキュラムを目指します。

感情は、初期の学習と発達を促します

子どもの感情は初期の学習を促し、その他の学習分野にも大いに影響を及ぼします。育ててくれている大人たちから肯定的な反応を得た時や、何かを発見したときなどに幼児が経験する喜びは、子どもたちに積極的な交流や探求に携わるやる気を与えます。同時に、乳幼児には驚くほどの能力があります。彼らは、人や事物の世界を積極的に探求する、好奇心旺盛でやる気に満ちた学習者です。学習における乳幼児の積極的関与は全ての分野での学習を促進します。

乳幼児の発達とその促進

乳幼児発達の４つの重要な特徴は、脳の中にある「本質または低水準の回路構造の最適化」としての「基本的な知覚、社会的・感情的経験」のようなものを明らかにします。以下の乳幼児発達の４つの特徴は学習計画を計画、支援するために特別な手順を必要とします。

１．乳幼児は自身の学習課題に従います
２．乳幼児は全体から学習します
３．乳幼児は最初の３年間に重要な発達変化を経験します
４．乳幼児は最初の自我の発達途中にいます

１．幼児は自身の学習課題に従います
乳幼児は彼らの発達の中で比較的同時期に、さまざまな能力構成の習得に取り組みます。しかしながら乳幼児が立つ学習と発達の一般の通り道は、大人との継続的な交流に完全に依存しています。乳幼児は、大人なしには学習課題を進めることができません。実際彼らの学習課題のひとつは、必要不可欠な交流経験をもつために、大人たちとふれあうことなのです。教師たちがこの学習課題を理解することで、子どもたちの学習と発達を最も容易にする方法で子どもたちと交流することができるのです。

２．幼児は全体から学習します
乳幼児は継続的に、自然に、かつ流動的に情報を取り込みます。たいていは一度に一つのことだけに集中しますが、その集中はすぐほかに移ります。彼らは行動、交流、観察したりする中から、知識と技能を習得するために役立つ様々な情報を引き出します。たったひとつの交流が多くの分野で多くのものを学ぶことにつながります。子どもは興味のある１つの分野に集中することで経験を積みはじめたとしても、その経験の身体的、感情的、知的、社会的、そして言語的要素がほぼ同時に処理されていきます。乳幼児はそのすべての情報それぞれの相互作用を利用します。乳幼児は全体的な方法で学習するため、必ずしも大人が強調したい分野に十分に集中しているとは限りません。もし大人が、例えば言葉や形といった特定分野で明確な成果を生み出すという目的で相互の関係を構築すれば、たいていの場合子どもたちのもっと大きな学習経験を見逃すことになるでしょう。

３．幼児は最初の３年間に重要な発達変化を経験します
人生の最初の３年間は、ほとんどの子どもたちの生活は身の安全や未知への探求、自身のアイデンティティに関する事柄を中心に構成されます。幼児期を通してこれら３つの事柄に関わる間、事柄のそれぞれが、発達の中で異なるポイントにて中核的部分に位置づけられます。そしてその事柄が多かれ少なかれ突出してくることで、発達変化が生じるのです。子どもの行動が変化し、新しい方法で経験を整理していきます。当校の教師たちのこういった発達変化への理解は、子どもたちの学習過程に適応するのに役立ちます。

４．幼児は最初の自我の発達途中にいます
生後１８－３６か月の子どもたちの重要な焦点は、自身のアイデンティティへと変わります。自分と家族に関する問題や、善悪の概念、自分と他人の概念に集中します。他者との交流は独立し、依存し、相互に依存しあう存在としての彼ら自身を学ぶことにつながります。他人との関係の中での子どもたちの自我の成長を助けるには、大人たちは子どもたちのアイデンティティ探求を支援することに切り替える必要があります。教師たちは社会的行動の学習則を導くための境界線を置き、それぞれの子どもに不安なときに信頼できる大人が精神的ささえになることを伝えることで、安全と探求とともに年長の幼児たちを助けます。こういった発達変化は養護方法を子どもたちの人生の最初の３年間での急速な変化に合わせて変えていく必要があるため、乳幼児教師にとって挑戦になります。学習計画を正しく方向づけるための基礎は、３つの主要な変化を中心に構成されています。教師たちはそれぞれ(安全・探求・アイデンティティ)の発達期間で共感力、衝動制御力、識字能力、数感覚、運動技能のような分野での学習、発達支援を計画しながら、子どもたちの主要な焦点に気を配ることができます。